2018年2月2日金曜日

9条のリアリズム

 日本国際ボランティアセンター(JVC)という団体がある。団体のHPから紹介すると・・、
 インドシナ難民の救援を機に1980年に設立。
 現在アジア・アフリカ・中東、そして東日本大震災被災地で支援活動を行っている。
 農業の研修などを通して農村の暮らしを支える「地域開発」、紛争地での医療支援などを通して人々の命を守る「人道支援」、そして現場の声をもとに政府や国際社会に働きかける「政策提言」が活動の柱らしい。
 受賞歴を見ると・・、
 1985  アフリカ被災民救援活動貢献についての感謝状 (外務大臣)
 1988  国際協力推進についての感謝状 (外務大臣)
 1988  東京弁護士会人権賞 (東京弁護士会)
 1989  朝日社会福祉賞 (朝日新聞社)
 1992  毎日国際交流賞 (毎日新聞社)
 1995  内閣総理大臣賞 (内閣総理大臣)
 2012  旭日小綬章 星野 昌子(個人として受章)
 2015  日本平和学会 平和賞
・・というから、「知っている人は知っている」という以上のしっかりした団体と言ってよいだろう。
 このJVC代表理事の谷山博史氏のインタビュー記事が1月24日の赤旗に大きく載っていて、紛争地の現場で活動を続けられてきたリアルな感想に胸が揺り動かされた。

   そのひとつが「非戦の精神」で、欧米の国際NGOの多くが戦争そのものには反対しない。赤十字国際委員会ですら戦争の仕方に反対しているだけという。
 そんな中で、日本のNGOだけが「非戦」を訴えていて、そのバックボーンが憲法9条と言い『「非戦なんて現実無視のお花畑だ」という人がいるが、ほんとうに人を殺すとはどういうことなのかも知らずにそういうことを言うことの方が非現実的だ』と谷山氏は述べている。

 氏自身がそれを確信したのはアフガニスタンのスタッフとの出会いで、暴力と復讐の連鎖から抜け出せない現地では武器の所持も当たり前であったが、氏が初めて米軍と交渉した場に立ち会ったスタッフは「殺されるんじゃないかとほんとうに怖かった」と後で述べたという。
 そういう恐怖があるから一気にテロに走るのだが、それが、交渉や対話で問題を解決する方法があると知ったスタッフは生まれ変わったように一族や地域に平和教育を広め、銃のおもちゃを禁止する運動などを始めたからだという。

 世界はどこを見ても問題だらけに見えるが、恨みと復讐、分断を生む負の関係を断ち切らない限り希望は生まれない。
 紛争地現地の当事者が「これじゃだめだ」と動いた信念に私は確信を持ちたい。

   対話見て生まれ変わったアフガンの現地スタッフの事実の重さ

0 件のコメント:

コメントを投稿