2017年8月24日木曜日

負け惜しみ

   大層な話ではないが親の介護と孫の看護で夏休みなどという言葉を忘れた生活を送っている。
 別に世を恨むつもりもないし自分を悲劇の主人公にする気もない。
 否、お陰でというか、明日目が覚めたら何をしようかというような老人の悩みも侘しさもない。
 反って日々の日程が明確で負け惜しみではないがある種充実している。やっぱり負け惜しみか。

 そんなもので近頃は病院に行く機会が多いが、今更ながら世に病人、怪我人の多いのには驚かされる。なんと家族も含め辛い日々をすごしている方の多いことかと再認識。
 仏教の説く四苦八苦という言葉を思いだしたりする。
 孫の病気を知った友人から、実は私の家族にもこんなことがという話が聞かされたことも少なくない。
 世の中、誰もが一見幸せそうな顔を維持しながら歯を食いしばっている。
 少なくとも政治で対応できることについては、ほんとうに安心して暮らせる世の中にしたいものだ。

 障害者施設で悲惨な犯行があってからおよそ1年が経過した。テレビは老人施設で不審な死や怪我が連続したことを報じている。
 千葉県で維新から出馬を予定している長谷川豊は「金のない透析患者は死んだらよい」と発言した。
 こういうニュースを見ていると、少しも気分が萎えないと言えば嘘になる。

 大阪の維新のロジックも「貴方の不幸の一方に恵まれた福祉がある」というスピーチである。
 〇〇ファーストというキャッチコピーは、多かれ少なかれ誰もが持っている劣等感や我儘を焚きつけるコピーである。それだけに負のエネルギーは大きくその熱狂は、誠実だとか助け合いとかいう理性的で地味な感情を蹴散らかす。
 一言でいえば、政治や福祉を株式会社の論理で「効率」などと語る者は信用ならない。

 閑話休題、我が畑のオクラ生長した時は野菜売り場は無茶苦茶安い(福岡市)南川光司は8月21日の朝日歌壇の入選作でプッと笑った。

 道の駅に色も形も不揃いなマッカ(真桑瓜)があった。
 冷えたマッカの控え目な甘さは大人の味だ。

    真桑食い負け惜しみいふ残暑かな

3 件のコメント:

  1.  マッカにかぶりつきながら「甘ったるいメロンよりも大人の味だ」と負け惜しみを言うのです。

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  2.  薄く切って、冷蔵庫で冷やしたマッカに鰹節を振るい、醬油をかけると夏のおかずの一品となります。負け惜しみではありませんが、メロンではこうはいきません。

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  3.  西瓜の白いところを漬物にする感じでしょうか。新しいことを教えていただきました。

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