2017年6月21日水曜日

都議選公明党の謎

   「言論の府は死んだ」と新聞に書かれた通常国会が終了した。
 共謀罪法を強行採決し、森友、加計疑惑は徹底して蓋をして、戦後政治史に大きな汚点を残して閉幕した。
 自民党とともにその悪行を強行したのが公明党だった。
 創価学会牧口初代会長が治安維持法で逮捕され獄死したという悲痛の歴史的事実も無視しての「共同謀議」であった。
 その公明党が、自民党との抱擁の体温も冷えぬ間に、都議選では自民党と「対決」している小池「都ファ」と選挙協力を行い、小池与党となっている。
 「嘘も方便」という言葉があるが、彼等流の仏の道はいざ知らず、普通に考えれば自公政権の評価は別にして「人の道」にももとる行為だと私は思う。

 かつて自民党が「新進党の実態は公明党だ」と非難していた折、自民党は、① 創価学会の収益事業部分や固定資産税が完全に把握され課税されているとは言えず、これは「宗教団体に対する隠れた補助金」となり、憲法20条および89条違反。② 例えば池田氏が外国へ行く場合など、組織的に何百万、何千万円の餞別が贈られると聞くが、事実なら儀礼の範囲を超え、贈与税の対象である。などと強く批判していたのに、わずか5年後に「自公連立政権」がなったのである。

 その公明党のコペルニクス的転換を野中広務氏は「叩きに叩いたら、向こうからすり寄ってきたんや」と答えている。
 そういう転換=すり寄りをさせた理由は、上記の理由だけだろうか。
 もっと直接的には、創価学会と暴力団組長の「密会ビデオ」がそれだと言われている。
 創価学会の元本山大石寺のあった静岡県富士宮市周辺を縄張としていた元山口組後藤組組長後藤忠政が一方の主人公である。
 ここで巨大な墓地公園の造成などを進めた創価学会は様々なもめごととと利権疑惑を抱え、ついには市議会に真相究明の百条委員会が設置された。
 そして、その様々なもめごとの処理を依頼してきたのが様々な創価学会幹部で、結果、百条委員会を進める市民や議員までも説得「処理」したのが後藤組長だ。
 ところが、そのことが明らかになることを恐れた創価学会は、それは山崎正友弁護士と後藤組長の個人的なものとして「礼」を尽くさなかった。
 そこで仁義と意地から怒った後藤組長は創価学会や公明党に内容証明郵便を出したところ、3か月後ぐらいに富士宮警察署に「後藤組壊滅対策本部」ができた。
 これでさらに怒った後藤組は、若い衆が創価学会本部で発砲すると、池田の使いのもん(藤井富雄都議)が詫びを入れてきた。
 その後藤・藤井密会ビデオが自民党に渡り、そこでは自民党内の反学会派の亀井静香氏ら4人の名をあげて「この人たちはためにならない」と、文脈上は襲撃を依頼したともとれる発言が撮られていた。
 こんな決定的な証拠が世間に出ると創価学会・公明党は瓦解する。
 結果は自民党にすがる以外になかったと野中側近は言っている。

 これ以外にも創価学会の闇はいろいろある。
 そもそも「宗教法人としてふさわしいのか」という疑問は多い。
 それ故、宗教法人創価学会の許認可権をもつ東京都知事には絶対的に服従しなければならない訳である。
 都議選公明党の謎は単純だ。
 創価学会・公明党にとって国民・都民はおろか多くの支持者である庶民のことも関係ない。
 大阪府では地元の自民党までもが森友学園の百条委員会を求めたのに対して、維新と組んで公明党が反対してこれを潰した。
 すべては「選挙協力」がメルクマールである。
 創価学会牧口初代会長は泣いていることだろう。
 
 この記事に引用した諸事実は、佐高信著 集英社文庫『自民党と創価学会』に詳しく書かれている。

    父の日や父の好みはバレている

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