2017年4月12日水曜日

日本会議に関する2冊の著作

   一昨年来、日本会議に関する出版が幾つか続いた。
 私は少しへそ曲がりだから「日本会議の解説など今更してもらわなくてもいい」と購入しなかった。
 そんな折、菅野完(たもつ)著『日本会議の研究』が販売差し止めの仮処分を受けたことを知った。
 ただ、6箇所の申し立てに対して裁判所は1箇所の記述についてだけ「著者(菅野完)の説明以外に客観的な証拠がない」とした・・・ということは、その1箇所以外は基本的にデタラメでないということかも知れないと思って私は本屋に走った。
 当然といえば当然だろうが、仮処分前には並んでいたコーナーにそれはなかった。
 なので、著者もしっかりしている?青木理著『日本会議の正体』を購入して帰ってきた。この本は非常に為になった。

 さて、今年3月、不思議な光景が続いた。
 最初は森友学園籠池泰典氏の記者会見だった。
 籠池氏が所属と氏名を名乗らずに質問していたジャーナリストに問うたところ、「フリーの菅野です」と答え、それに籠池氏が「菅野? あ、菅野さんかー(笑い)。あんたが菅野さんかー。」と嫌な顔をせず?応じたことだった。
 それから数日して、マスコミが大挙して籠池氏の追っかけをすると、なんと、その菅野氏が今度は籠池氏のスポークスマンのように、更に言えば代理人のような感じで登場してきたことだった。何だ、この人物は$%&??

   そういう最中の3月31日、その森友事件とは直接リンクはしていないが、裁判所は『日本会議の研究』の販売差し止めの仮処分を取り消した。
 で、今度は走って行ったわけではないが、たまたま覗いた書店にそれは復活していた。
 事実上の1行分が黒塗りにされているのが御愛嬌であった。

 この本を読み終えてから著者菅野完氏をネットで検索すると、Wikipediaでは元部落解放同盟の極左、その後「反原連」を女性問題で出て、「しばき隊」を金銭問題で出て、今は「保守・右翼」と書かれていて、少々複雑怪奇だが、著書は実証的で感も鋭い感じがした。
 私には、本としては、『日本会議の正体』よりも『日本会議の研究』の方が面白かった。

   断片的には知っていた日本会議や右翼の事柄がどちらもよくまとまって整理されていて理解は確かに深まった。
 『研究』で知った安東巌氏を注目したいとも思った。『正体』には安東巌氏は出てこなかったように記憶している。
 著作の限りではWikipediaの人物評ほど奇妙奇天烈とも思わなかった。
 それらは各自で評価していただきたい。

   土筆んぼ母は写真を解説す

   

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