2017年1月25日水曜日

口を噤(つぐ)む

   鶫(ツグミ)は左の写真のとおり、その姿勢に孤高の雰囲気があって好きである。
 その名前の由来については次のような説がある。
 ・・・冬鳥であるツグミは「ケッ、ケッ」とよく鳴くが、当然のことだが夏が近づくと日本列島からいなくなる。そのこと(北帰行)をよく知らなかった先人は鳴き声が聞こえなくなった理由を、「この鳥はきっと夏には口を噤(つぐ)むんだ」と解したので「鶫(ツグミ)」と名付けたと。
 ツグミには迷惑な誤解であった。

   さて、通常国会が始まったが安倍首相のトランプ並みの暴走は止まらない。
 モラルの崩壊度ではトランプ政権以上だろう。
 中でも、虚構の絶対多数の内に!と、憲法改正を本気で強行する意思を明らかにしたことは重大だ。
 「どこを変えるかは議論してほしい」「とにかく改正することだ」という暴言をシャーシャーと公言している。
 これも「ポスト真実」のひとつである。
 なぜなら自民党総裁である安倍首相の腹案が「自民党憲法改正草案」であることは疑いがない。

 だから、ほんの一例をピックアップするだけでも・・・、
 国民は、気概をもって国を守ること(前文)
 自由と権利は、公益と秩序の範囲内でのみ認める(12条、13条)
 公益に反する表現活動は認めない(21条)
 総理大臣は、必要と思ったときに「緊急事態宣言」を発して、国会で審議せずに国民の権利と自由を制限できる(98条、99条)
 日本の国民は、新しい憲法に従うこと(102条)・・・・等々。

 そして本命が、第2章「戦争の放棄」を「安全保障」と変え、9条2項を削除し国防軍の新設にあることも疑問の余地がない。
 
 2017年、憲法改悪反対の声を上げないと、為政者は「反対の声は少ない」とシャーシャーというに違いない。
 ツグミが命名で味わった屈辱を日本国民が味わうようなことがあってはならない。

   凜として風上睨む寒鶫

2 件のコメント:

  1. ツグミの命名に因む比喩は見事です。我々も冬空に声をあげていきましょう。
    今回の句、「睨む」が効いて秀句です。

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  2.  「冬空に声をあげよ!」とのコメントありがとうございます。
     拙句に対する過分なコメントはお恥ずかしい。

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