2016年12月19日月曜日

お餅つきは介護に欠かせない

   特養の家族会に施設から秋に「今年のお餅つきはスタッフの人手が足りないので、餅つき機を購入してそれで蒸して、その後杵でつきたい」と話があったので、それなら「蒸す作業一式は家族会が担当したい」と申し出て、今般実際に担当した。

 そこで、先日の記事で紹介した薪カマド、羽釜、蒸し器等々付属するいろいろを含めて私が持参してお米を蒸した。
 薪をくべて、薪の煙の匂いともち米の匂いが広がると、何人かの入居者が心の底から懐かしそうにカマドの周りに集まって来てくれた。

 作業をしている当の家族会、つまり息子や娘の方はこんなのを本格的に見るのは初めてというような人が多かったが、入居者の方はかつて「へっついさん」で煮炊きしていた経験者がほとんどだ。
 主婦やなんかで、ある意味現役バリバリの頃を思い出したのだろう、ほんとうに日ごろ見なかったような笑顔が広がった。
 その笑顔だけで準備をした甲斐があった。
 特に義母には、「このカマドもお釜も蒸し器も、みんなお祖母ちゃんが使うてたもんやで」というと、少し恥ずかしそうにそして自慢そうに笑ってくれた。

 杵は、子ども用よりもう一つ小さい幼児用というのを持参したら、入居者で元気についてくれる方もいたし、スタッフが止めたが「つきたい」と出てこられる方もおられた。
 さらに発泡スチロールで作った杵を3本用意して、あちこちで「エア餅つき」をしてもらった。さらには何人かには車いすに乗ってでもその杵?でついてもらった。
 発泡スチロール製かどうかなどは問題ではない。みんな本気でついてくれたし、そういう風に周りも応援してくれた。

 自画自賛ではないが、楽しいひと時と懐かしい回想を提供できたと思う。
 ある入居者の家族などは「こんな楽しい見納め?ができてよかったね」と親御さんに話されていた。おいおいおい。
 自慢ではないが、蒸し加減もよく見事なお餅がつきあがった。計画どおりの時刻に丁度よく蒸し揚げて、結局自慢である。

    親孝行昔ながらのお餅つき

2 件のコメント:

  1. 有難うございます。実際に参加していない私まで薪の煙の匂いと蒸しあげたもち米の匂いを満喫し、ちょっとほろっとしました。これって長谷やんの文章力もありましょうが体験者のみが持つ特権でしょうか?
    「見納め?」の話、おじいちゃんの診察に付き添った孫が母親に打った携帯メール「おじいちゃん、終わりました!」に匹敵する可笑しさがありますね。しんみりと、笑わせて頂いて有難うございました。

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  2.  ひげ親父さんコメントありがとうございます。
     老朗介護とはいうものの実際にはしんどいこともあります。それをこんな風にブログに書いて、それにキャッチボールしていただいて感謝しています。キャッチボールは素晴らしいことですね。

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