2016年11月22日火曜日

な~んな~ん南海電車

南海特急ラピート
   先月のことだが南海電鉄の車掌が「本日は多数の外国のお客様が乗車されており、大変混雑しておりますので、日本人のお客様にはご不便をおかけしております」と車内放送した。
 「外国人が多くて邪魔」と大声で叫ぶ日本人客の声を聞き、トラブルを避けるために放送したと説明した。
 このニュースに私は日本人として恥ずかしい気持ちになった。
 
 今月には毎日放送テレビの「憤懣本舗」が、「南海の通勤客に憤懣の声がある」として、「大きなスーツケースを股の間に置くため横に人が座ることができない」「シートの上に荷物が置かれ、紙くずに車内電話まで」「そこに杖をついた女性が、だが誰も席を譲らない」等と報じた。
 キャスターはいくらか冷静だったが、お笑い芸人のコメンテーター?が「ミナミあたりの外国人は声がうるさい」などと発言するものだから、これも後味の悪いニュースに終わった。

 そして先日、私は朝の南海電車の「関空急行」に難波から乗車した。
 これまでだと通勤客を吐き出した朝の難波発の電車はガラガラだったのだが、関空から帰国するための乗客で結構混んでいた。その荷物は土産物も加えて相当なものだった。
 なので、これが朝の難波行通勤電車だと、一触即発とまでは言わないが相当ストレスが溜まることだろうと想像できた。
 ニュースの火種は理解できた。

 ではあるが、やっぱり怒る先が違う、解決方法の先が違うと私は考える。
 南海はせめて通勤時間帯には、関空から新今宮あたりまでノンストップの急行を(つまり特急料金不要で)走らせて通勤客と分離すればよい。
 座席の周囲に広い荷物置き場を作ればよい。関空利用者の大きな荷物は外国人に限らない。
 ヨーロッパの先進的な観光地にもっと学ぶべきだろう。

 さらに言えば、「電車の中で大声を出してうるさい」とは、首都圏で大阪人が言われている言葉である。
 〇〇ツアーや〇〇パックという観光客のマナーが国際的に顰蹙を買ったのは少し前の日本人のことである。
 いや、日本人とひとくくりにしてよいものか、長野県人から登山者のザックが邪魔だとは聞いたことがない。
 国内にも観光地は外にも多い。

 在阪テレビ局のいわゆる情報番組のコメンテーターには大きな勘違いがないか。
 強きになびいてより弱い者を口撃するのを「本音で語っている」などと美化していないか。
 維新の府市政と合わさって、ますます大阪が三流の「大きな田舎者」にならないように願うばかりである。

 私は長い間南海沿線住人だった。〽 な~んな~ん南海電車 南の海を走ってく のCMソングは今でも耳に残っている。

    底冷えやニュースは都市格どおりなり

 おまけで、 おもてなしの国の電車は狭軌なり  (これは川柳のつもり。南海電車は広軌でなく狭軌である。心の狭さと掛けたつもり)

2 件のコメント:

  1.  「忙しいという文字は心(りっしんべん)が亡ぶと書く」と言われるが、効率と対価第一のこの国では心の余裕が枯渇しつつあるのでしょうか。

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  2.  「人に人格があるように都市にも都市格がある」とは木津川計氏の明言。度量の狭い都市に度量の狭いニュースは必然か。木津川氏「維新の府市政が大阪の都市格を著しく低下させている」と鋭く指摘。

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