2016年11月11日金曜日

火焚きは死語

   北風のニュースにはジョウビタキがよく似合う。
 普通には「尉鶲」ではあるが「尉・火焚き」が名前の由来で、♂の成鳥は頭が白いから、つまり白髪だから「尉」。・・なので写真は白髪ではないので♀だと思う。

 「ヒーヒーヒー」の後に「カチカチカチ」と鳴く声が火打石で火を点ける音に似ているから「火焚き」というのだが、銭形平次的なテレビの時代劇もなくなった今では、火打石などと誰が連想するだろう。
 平次親分がいざ出かける時には奥さんが必ず「切り火」を打っていたものだったが。

 この鳥、けっこう早起きで、毎朝、仄暗い曙から窓の外で鳴き始める。
 〽 もう起きちゃいかがと郭公が鳴く というよりも、その忙しなく甲高いヒーヒーヒー カチカチカチこそ「もう起きなさい」というサザエさん的な迫力がある。
 布団の中でその声を聞くと「もうすぐ日の出だ」と時刻がわかる。

 鳥の渡りに一々驚いていられないが、それにしてもこの小さな鳥が数か月前にはバイカル湖畔のダーチャ(郊外の菜園付きセカンドハウス)でバカンスを楽しんでいたかと思うと、ちょっと感慨深い。
 セカンドハウス(ダーチャ)を楽しむ一般的ロシア人をテレビで見て「貧しくてかわいそうだ」と言うウサギ小屋の「小金持ち」を、このジョウビタキはどのように空の上で感じていただろう。
 豊かな人生ってなんだろう。
 先輩のスノウさんは「テレビを観ないことだ」と喝破されている。
 今さら万博だ!って叫ぶのも大きな勘違いだと思うのだが。
 この国の政治を高みから俯瞰することが大事な気がする。

       尉鶲(じょうびたき)その説法は鳥瞰図

1 件のコメント:

  1.  国境などというものをものともせず行きかう渡り鳥はこの国で、もっと世界中を鳥瞰して考えなさいよと説法して(鳴いて)いるように思います。

    返信削除