2016年9月15日木曜日

鮭の白子

   ひとつの妖怪が極東の列島を徘徊している。情報という妖怪が。

 朝にBSをつけていると、時々関口知宏のヨーロッパの列車の旅を映している。
 テレビの中の列車の中も、街の中にも圧倒的に広告が目立たず美しいことに、ある種のカルチャーショックを受ける。
 派手な看板や広告というのは中華文明なのかアメリカ文明なのか、ヨーロッパの石造りの街並みを見ながら、日本列島の品格に疑問が生じる。

 この国では、国民は情報に取り残されることに恐怖感を抱き、大勢に同調することで安心感を得ているように見える。
 操っているのは広告であり情報だ。
 テレビの中のヨーロッパに比べると狂気に似た広告の洪水だ。

 価額もそれによって決められる。
 例えば、鱈の白子がある。これは有名料理店でも「おしながき」に載るものだから、そこそこの値段がついている。
 しかし、鱧の真子や普通の魚の真子・白子・肝は二束三文で売られていることが多い。
 先日も近所のショッピングモールで鮭の白子が売られていた。
 結構な量があるのに140円ほどだった。もちろんわが家は2パック購入した。
 ボイルしてポン酢で美味しくいただいた。
 これから鍋の季節になると鍋に投入する。
 だいたい魚の真子や白子や肝で不味いものはほとんどない。
 ただ、テレビ等で「有名」でないだけだ。

 そのお陰でわが家では安くて美味しくいただいているが、世の中のこととして眺めるとおかしな世の中だと思う。
 
 余談になるが、確か大分県ではフグの肝も条例で禁じられていないと思う。
 その昔、別府温泉で正式に提供を受けていただいたことがある。
 同じように昔のことだが、民青新聞に別府の記事が載っていて、フグの肝も美味しいよと書かれていたのをひとり大笑いしながら読んだことを思い出す。
 石川県にはフグの真子の糠漬けがある。
 これも正式な商品と、地元の人の手作りのものをいただいたことがある。
 繰り返すが、だいたい、魚の真子、白子、肝で不味いものはほとんどない。
 ただし、有毒のものは原則食べない方がよい。
 このブログ記事で責任は負いかねる。 

2 件のコメント:

  1. いつもながらの「珍味」の紹介、長谷やんにすれば「普通の食べ物」だと思いますが、確かにタラの白子は探しますがそれ以外、鯛の真子以外は見過ごしてきました。これからは探します。
    教えてもらったフグの真子の糠漬け、近江町市場で買いましたがまさに珍味、でも塩辛くて高血圧の身では半分も食べれませんでした。

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  2.  貧しい我が家では140円の鮭の白子は珍味ではなく普通にありがたい素材です。網で焼くのもいいかもしれません。
     フグの真子の糠漬け、確かに塩辛いです。これはおかずではなくお酒のアテでちょびちょび食べるものでしょうね。

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