2016年7月5日火曜日

ダッカの悲劇を招いたもの

 IS(イスラム国)によると思われるテロによって善意の日本人が犠牲になった。
 テロ行為は卑劣であり断じて許すことはできない。
 そして我々は、二度と繰り返されないようにどうすればいいのかを本気で考えなければならない。
 とすれば、テロの温床となる貧困と格差の解消に政治的、外交的に貢献する外はないと私は思う。
 
 アフガンで大規模な人道支援を継続されている中村哲医師は、「アフガンでは辛うじて日本人は街を歩ける」「戦争に加担した西欧諸国や韓国の人は狙撃される」と述べ、その源は憲法9条で、戦闘服の自衛官が派兵されなかったことだと正月の朝日新聞で語っていて、同時に、その安全が危うくなっていると嘆いておられた。

この写真の公表が最低最悪の外交の見本と言われている
   その新聞記事から1か月も経たない1月17日、安倍首相はエジプトで「IS対策の為」2億ドルを支援すると表明した。
 そして19日、歴代政権が決して行わなかった、イスラエルと日本の国旗の前でネタニヤフ首相と連携強化を表明した。

 1973年の第1次石油危機後、日本はアラブ・イスラム諸国と良好な関係を築いてきた。
 1979年、イランの米国大使館占拠事件後、その場所は年に1回公開されるのだが、その展示の第1室は「広島・長崎への原爆投下」であり、実際、イスラム過激派の心情においても「日本は敵でない」とされてきた。
 なのに安倍首相のそれは、公然たるイスラム諸国への敵対の示威行動、宣戦布告であった。
 それが湯川遥菜さん殺害に繋がったというのは、元駐イラン大使孫崎享氏の見解である。

 孫崎氏の言葉を継げば、中曽根首相は後藤田正晴官房長官を据えて違った意見を聞こうとしたが、安倍周辺やブレーンにはお友達ばかりで、苦言を呈したり忠告する人がいない。

 なんでもかんでも安倍の悪口を言うつもりは毛頭ないが、冷静に振り返ってみて、ダッカの悲劇を招来したのは安倍晋三その人だと私は思う。
 彼にはほんとうの意味での政治力も外交力もない。サミットを見れば明らかだ。
 こんな政権を延命させてはいけない。
 それが参議院選挙の争点ではなかろうか。

2 件のコメント:

  1.  安倍晋三の目標は「世界中に武器や原発を輸出したい」に尽きるのではないでしょうか。
     きっと『我が亡きあとに洪水よ来たれ(後は野となれ山となれ)』が彼の座右の銘でしょう。
     一刻も早く退陣させましょう。

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  2.  孫崎さんの指摘のとおり、イスラム過激派も含めてアラブ・イスラム圏は親日的だったと言われています。だから「私は日本人だ。撃たないで」は現実に通用していたという。しかしダッカではそれが通用しなかったというか、それ以上に「日本はイスラムの敵だ」として殺害されたという。テロリストを許す気は毛頭ないが、安倍自公政権の軽薄極まりない危険性が明らかになったことは声を大にして指摘しておかなければならないと思う。

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