2016年5月18日水曜日

語るに落ちる

   先週大阪に出かけたら、近鉄上本町駅改札横に大きな台が置かれてその上に警官が立っていた。
 爆弾テロの予告でもあったかのような雰囲気だった。
 雰囲気だけでモノを申すのは控えたいが、住民の安全を守っているというよりも、ちょっとでも怪しい奴はとっ捕まえるぞ!という”ウタガイビーム光線”がテカテカしていた。
 丁度その前に理髪店があって、そこの従業員は「終始覗かれている、睨みつけられているようで嫌だ」と言っていた。
 伊勢志摩サミットの1週間以上前である。
 新聞によると、近鉄はサミット前からなんと鵜方~賢島間を運休させると出ていた。そこまでやるんだ!
 住民そっちのけだと思うが世界中の動きを見ればこれが現実なのだろう。
 ただし、以上の事柄は日常会話の域である。

 問題は、「アンダーコントロールだ」と首相が大見得を切ったフクシマ事故だ。
 東京電力はサミットの期間中だけ廃炉作業を中止するそうだ。
 5月12日の東京電力の記者会見によると、「たくさんの方が(日本に?)一番来られる時ですから、その時に何か異常が発生した場合、早期に検知するために、定例的な作業を除いて休止する」らしい。

 この伝だと福島県民も日本国民も「たくさんの」ではなさそうだ。
 日本経済を牽引?してきた爆買いの観光客もそうではない。
 ただし、これは嫌味のひとつである。

 それよりも、これは、フクシマの現状は想定外の要素たっぷりの危険なものだということを、はしなくも当事者が語ったものだろう。
 ほんとうにフクシマは危険なのだ。アンダーコントロールなら休止する必要はない。
 報道の自由度72位の国である。
 この問題、東京新聞以外はあまり報道していない。
 何度も言うが、報道の劣化はフクシマ以上に危険である。

 ついでに言えば、東京オリンピック招致に裏金賄賂(買収資金)2億円を斡旋した電通はパナマ文書でも疑惑が取りざたされているが、マスコミ界の裏面の帝王・電通のことは大手新聞社もタブーになっているようで沈黙している。
 この国は今、土台が腐りつつないか。

1 件のコメント:

  1.  あべのハルカスの近鉄百貨店も休業するそうだ。
     嫌な世の中になってきた気がする。

    返信削除