2015年7月10日金曜日

まぜるな 危険

  まぜるな 危険! という洗剤があるが、経済の新自由主義者(市場原理主義者)と歴史修正主義者(日本会議の右翼)を混ぜると危険極まりない。
 ある席で「安倍政権は徴兵制を導入するだろうか」との議論があった。
 今般の戦争法案で防衛大学校卒業生の任官拒否は増加しているらしい。
 法案が成立したら自衛隊員の除隊(離職)は増えるだろう。・・なら徴兵制か?という話である。
 で、貴方なら、つまり貴方が安倍政権の主要閣僚ならどうするか。
 第1に、徹底的に非正規雇用を増やし、正規雇用を高嶺の花とする。ここが新自由主義者の出番である。
 こうして、将来の夢が持てない青年にこう言おう、「君のように未来のある青年にぴったりの話があるんだ」と。
 「自衛隊に入れば、職業訓練は完璧だ。大学の費用も全部出そう。医療保険は家族にまで適用され、退役後も無料で治療が受けられる」。お察しのとおり、これはアメリカにおける軍人確保の現実である。
 絶望的な青年層の貧困は、労せずして軍人を補充しているという、これは、堤未果著『アメリカ弱者革命』(新潮文庫)に詳しい。
 第2に、それでも、親の収入でそこそこ生活のできている日本の青年はおいそれとは志願しないだろう。
 それでもいい、遅かれ早かれ戦地に派兵された自衛隊はトラブルに巻き込まれる。それは100%間違いない。
 そのとき、後藤さんのときのように、政府はただあえて静観して犠牲者の発生するのを待てばよい。
 そして、何人かが死亡したときが首相と会食を重ねたマスコミの出番である。
 国のために尊い命をささげた青年がいたと・・・、徹底的に賛美して・・・・、
 事実はどうでもよい。なぜならそれは『特定秘密』なのだから。
 比較的貧しい志願兵(自衛官)が何人も死んだ。その一方で、享楽にふけっている青年もいる。こんな不平等が正義だろうか・・と、新聞テレビは裁判長のように国民に語りかける。
 そうなれば、政府が強行しなくても、国民は平等に徴兵されるべきだという「世論」が(仕掛けられて)湧き起ってきはしないだろうか。
 こんな気分の悪い想定問答集を作ってみたが、読者の皆さんならどのようにお考えだろう。
 この話を何人かに語ってみたが、みんな「ありえない」と私の取り越し苦労を笑った。
 しかし根拠もなく「社会は進歩する」と楽観するのは、「神風が吹く」と信じた皇国神話と変わらないと思うのだが。

2 件のコメント:

  1.  新自由主義者と歴史修正主義者のコラボによる非正規雇用のさらなる激増に、反対する国民を、満を持して待機していたマスコミが抑え込み、喰えなくなった青年は、やむなく徴兵制に応じる。
     これは素晴らしい日本の未来を創造するシナリオだ。イヤ、ギリシャ以上に深刻な財政危機を一挙に解決るにはこれしかない。日本の未来は明るい。青年よ希望を持って選挙に行こう。

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  2.  堤未果さんの「アメリカ弱者革命」(新潮文庫476円)はほんとうのアメリカを教えてくれます。
     彼女の一連のレポートを読むと、自民党や維新の党がいうTPPや教育改革というものが、すべてアメリカ発の政策であることが痛いほど解ります。
     橋下、松井や安倍の経過を振り返ると、「これは危険だ」という声は当初は「まさかそれほどまでは」「取り越し苦労では」と笑われましたが、結果はご存知の現状です。
     「そうはさせない」と決意することは良いことですが、根拠もなく「そこまではならないだろう」と考えることは、確信ではなく考えることの放棄でしょう。
     私は「フセインは大量破壊兵器を持っている」と信じ込まされた苦い経験を思い出しています。

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