2015年6月28日日曜日

憲法改正草案

  自民党は、「マスコミを懲らしめよう」と話し合った文化芸術懇話会のニュースに対する世論の反発を受けて、懇話会代表の木原青年局長を素早く更迭した。
 ズバリ、「ホンネを言っていい時と悪い時がある!」ということだろう。
 事実、自民党の正規の日本国憲法改正草案では、第3章国民の権利及び義務の第12条の、現行の『この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。』を、改憲案では『この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。』と天下に公約しているのであるから、懇話会の議員たちは、落語の「禁酒番屋(馬の小便)」ではないが「この正直者めが!」と叱られただけである。
 ちなみに、この懇話会メンバーは安倍側近たちであり、「首相が仕事をしやすいように、邪魔者が出てきたら排除するのが役割だ」と言っていたと報じられている。それが肯定されているように、同日に行われるはずだった自民党内リベラル派?の勉強会は党から「邪魔者」として中止させられ、予定の講師であった小林よしのり氏がネット上で「言論封殺だ」と怒っている。
 重ねて言うが、木原氏の更迭は自民党にとっては「言い方とタイミングがまずかった」だけである。
 自民党が目指しているのは、公の秩序に反するとして表現の自由、言論出版の自由も制限される、どこかの独裁国家並の国である。
 なお、自民党がすばやく手を打ってきた今回のスピード感で言えば、これはネット社会の機敏な反応があってこそのことだろう。私もブログで書いたし、友人もブログの記事にした。
 こういう時代だから、とりあえず集まって議論をして、文書を印刷して送付するという対応だけではこうはいかなかっただろう。是非、読者の皆さんもネット上で素早く発信する行動に参加してほしい。


28日追記 その勉強会で講師を務めた百田尚樹氏のツイートをリツイートする。

2 件のコメント:

  1. 長谷部教授を憲法審査会に呼んだのは人選ミスと言っているわけですが、百田氏を呼んだのは誰もそう言ってないところが、自民党の本質ですね。今回の発言はほんとうにひどい。

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  2. mykazekさんの切口は素晴らしい。
     百田氏を呼んだのも、百田氏の話にのぼせ上ったのも、すべてミスではなくホンネでしょう。

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