2015年6月1日月曜日

笑うしかない辛さ

  「今朝のNHKの『あさイチ』はよかったで」と妻が教えてくれた。
 それは5月27日のことで、沖縄出身の南沙織の息子の(篠山)アッキーが母の生家もあった沖縄を尋ねるものだった。
 だからこの記事は妻からの伝聞が中心である。
 
  最初はいつもの観光地巡りのようだったが、那覇の国際通りや公設市場で店の人が「最近はオスプレイの騒音がひどくなった」と語ったり、アッキーが「1945年にガマから出てきたときは一面焼け野原で、日本人は収容所に入れられ、戻ったときにはフェンスが張られ米軍基地に接収されていた」と、沖縄の基地問題のそもそもを説明するなど、近頃のマスコミがスルーするような現実を素直に語った。
 また、母(南沙織)の生家は世界一危険と言われている普天間基地のすぐ側で、アッキーを憶えていた近くの商店の女性は「戦争が近づくと騒音(爆音)が大きくなるので戦争(ベトナム、アフガン、イラク?)が始まったことは肌で感じた」「ほんとうに怖い」と臨場感のあるレポートが続いた。
 それから、沖縄で人気のコント劇団?の稽古風景の取材になり、その劇では、おじいさんが臨終のときを迎え家族や縁者が見守り「おじいちゃん、何か言い残すことは」的な場面で、おじいさんが弱々しく最後の言葉を語ろうとしたとき、ゴーッという米軍機の爆音が続き、長い爆音が終わったときにはおじいさんは亡くなっていた・・というもので、「沖縄あるあるネタ」として県民の共感と笑いを得るのだという。
 スタジオも「そんなのを笑っていいの」的な空気が漂ったらしいが、妻も戸惑いを感じ、かつ納得できたらしい。
 アッキーのレポートも劇団のコントも素晴らしいと私は思う。
 私たちは、この一瞬戸惑うコントを観てハッとするところから理解が深まるに違いない。
 そして、「笑うしかない」とでもいうような沖縄の辛い現実を思うべきなのだろう。
 翁長知事がアメリカを訪問している。日本政府は「よい返事をしないように」米政府に圧力をかけている。マスコミは上っ面だけしか報じない。
 ネット上では「報道番組以上の情報番組だった」と称賛の声が多い。

3 件のコメント:

  1.  誰か沖縄をレポートするなら「沖縄には原発が一基もない」こともレポートしてほしい。原発がそんなに安全で安いものなら、水力発電ゼロの沖縄こそイの一番で原発建設されていてよいものだろう。結局、米軍が「そんな危ないものを建設するな」と拒否権を発動しているのではないかと私は推測している。

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  2. 私も見ていましたが、彼の違う一面が見れたようでした。というより、こういうレポートを放映した現場の勇気を感じました。沖縄に原発がないのは何故か?御明察だと思います。

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  3.  よく高級官僚と公務労働者をいっしょくたにして「官なんて」とバッサリ斬り捨てる方がおられますが、そこからは国民的運動は広がらないと思います。だから、NHKの上層部や政治・経済のトップグループの批判はとても大事ですが、こういう番組を作ろうとする良心部分をいっしょくたにして「NHKなんて」とか「マスメディアなんて」とバッサリ斬り捨てるのもどうかと思います。

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