2015年5月13日水曜日

いちびり

  胸に手を当てて反省するが、孫の「いちびり」は隔世遺伝かも知れない。
 だいぶ以前のことだが、我が家で遊んでいるときにお父さんの帽子をひったくってどこかに隠したが、帰る段になって「お父さんの帽子は何処?」と聞いても判らずじまいだった。
 百舌鳥(モズ)がバッタなどを木の枝に刺す「モズのハヤニエ」も、貯食(備蓄)はしたものの忘れてしまったものらしいから、孫は百舌鳥並なのかもしれない。
 それからだいぶ経って先日、玄関の靴べらを立ててある容器の底に雑巾のようなものがあるのを見つけて引き上げると、それが例の帽子だった。
 リスの場合は縄張りを持たないので、言わば入会地に貯食(備蓄)して、結局、集団として生きつないでいると本で読んだことがあるが、この帽子隠しからは何も生まれない。
 父母や祖父母の関心・注目を一手に集めたいだけにほたえたのだろう。
 我儘かもしれないが、小さいうちは思いっきり注目してやればよいと思っている。
 孫が意味もなくいちびりだということを再確認して、祖父ちゃんは少し喜んでいる。

  ・・・・・と、原稿を書いたのだが、我が家がいま看護で大変だろうからとおかずを作ってくれて、昨日、短時間孫も来てくれた。
 そして、私が「お父さんの帽子を見つけたから」と返したら、孫は靴べらの容器を覗き込んだ。
 実は覚えていたのか、瞬間に記憶がよみがえったのかは不明である。
 楽しそうに笑っている孫を問い詰める気もない。

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