2015年1月5日月曜日

桑田佳祐という男

  元日の朝日新聞にサザンオールスターズの広告が4頁建てで出ていた。
 見開きの2面全面に「遂に、10年ぶりのニューアルバム発表。そして全国へ」という広告らしい広告があったが、第1面はニューアルバムの中の「平和の鐘が鳴る」の歌詞だった。
 読んでみると、それは、まぎれもなくこの時代への異議申請だと私には思えた。
 そしてこれがNHK90周年のイメージソングらしいから、いろんな意味を込めて正月早々嬉しくなった。

   そういえば、紅白のクライマックスにサプライズでサザンのライブが挿入されたが、その冒頭、桑田はヒットラーのちょび髭をつけて登場し、その後「ピースとハイライト」を熱唱した。
  「ピースとハイライト」の直訳?が「平和と極右」であるのは誰にでも解った。

  歌詞のテロップが流れたから、少なくともNHKのプロデューサーも選曲を承知していたのだろうから、桑田佳祐及びNHK前線職員の根性には頭が下がった。
 〽  都合のいい大義名分(かいしゃく)で
    争いを仕掛けて
    裸の王様が牛耳る世は・・・・狂気(Insane)
    20世紀で懲りたはずでしょう?
    燻る火種が燃え上がるだけ
 
 この歌から桑田佳祐を丸ごと賛美するのは早すぎるだろうし、そこまで私は知らない。
 紅白でバランスよく「東京VICTORY」を併せて歌ったのではないかとは私の穿ち過ぎか。
 高度な販売戦略でもあるかもしれないし、そうでないかも私には判らない。
 それでも、彼らの今回の勇気に比べて私たち、もとい、私のそれはどうだろう。
  よく「空気の読めない人間」という意味でKYなどという言葉が肯定的に言われたりするが、考えてみるとKYなどと言うのは「憶病者の言い訳」ではないだろうか。
 2015年、勇気をもって発言しようという気にさせた今回の「紅白と広告」だった。その限りの感想ではあるが…、
 やってくれますね、桑田佳祐。

 「平和の鐘が鳴る」の始めの部分
   今の私を支えるものは
   胸に温もる母の言葉
   若い命を無駄にするなと
   子守唄を歌いながら

   過ちは二度と繰り返さんと
   堅く誓ったあの夏の日
   未だ癒えない傷を抱えて
   長い道を共に歩こう

2 件のコメント:

  1. 紅白は見ていなかったのですが各種ブログの中身からは、かなり風刺の効いたモノだったようですね。
    沢田研二の「我が窮状」と同じメッセージソングだと思います。

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  2.  沢田研二のストレートな直球に比べると桑田佳祐は相当な癖球の感じがします。
     ピースとハイライトは紅白以前にテレビで観て驚きましたが、この歌詞の限りでは勇気を持ったメッセージだと思います。

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