2014年12月27日土曜日

爽やかな不言実行

  大阪弁で『おっさ』と「お」にアクセントを置いてあと語尾を下げて発音すると、「おじさん」のことではなく「お坊さん、和尚さん」のことで、私は小さい頃からこの言い方に馴染んでいる。
 友人は、今は小さいがもともと由緒ある法華のお寺を再興し、そこのおっさんになっている。(法華系のお寺で「おっさん」の使用が正しいのかどうかは知らないが、彼が「馴染んだ言い方でええから」というので使っている)

  先日、彼のお寺に行き、玄関わきの法話などを貼りだす掲示板を見て私は感激した。
 というのも、そこには集団的自衛権の批判と、最後に沖縄知事選挙に赴いた菅原文太さんへの哀悼の言葉が掲示されていたからで、選挙期間中、ずーっと掲示していたらしい。
 不言実行というか、勇気と称えるべきか、ネットや酒席でさんざん与党の批判をするが、自分は何もしない評論家連に比べてなんと真摯な宗教者の姿だろうと私は頭を下げた。
 「よき思想も、これを行わなければ、よき夢と異ならない」エマーソン(エマーソンがどういう人かは詳しくは知らないが)

  私はこういう自主的な草の根の活動こそが民主主義の基であり、そういう力が合わさって山の動く日が来るのだと思う。
 選挙の終盤、共産党の街頭演説会に別掲のようなポスター(ポテッカーというらしい)を手作りして参加したが、残念ながらご同輩はいなかった。
 もっと、個性的で楽しい運動を自主的に創造するとよいのにと少し残念な気がしている。
 選挙後は、耳あたりのよい話しか聞こうとしないのも一部にあるが、どうかと思う。
 ものごとを多面的に語る魅力が大切ではないだろうか。

2 件のコメント:

  1.  12月27日の地方紙ではありますが、今後の日本の将来を危惧する記事があったので紹介します。私も同感するところがあったのでコメントします。筆者は想田和弘1970年栃木県生まれだそうです。題名と見出しは「衆院選結果を受けて」「熱狂なきファシズムの深化」「民主主義の原点に帰ろう」と言うもので、読んでいて的を得てると思いました。一番最後の二つの文章が特に気になりましたので紹介します。
    「沖縄の選挙区では自民党候補が全敗した。ここでも投票率の低さは気になるが、重大な公約違反を犯した与党に対し(TPP等)、主権者側が争点を設定して選挙を行った結果だと思う。」「ナチスは選挙を通じて多数派を形成し、独裁に至った。民主主義は民主的な手続きによって自殺することができる。それを食い止めるのは、私たち主権者以外にはない。」
     無関心や耳当たりの良い楽観的な考えは、安倍ファシズムを助長するだけです。ファシズムと闘うのは今です。

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  2.  「民主主義は民主的な手続きによって自殺することができる」は、冷厳な真実だと思います。
     非常に示唆に富んだコメントをありがとうございます。
     こういう会話がリベラルな人士の周りに広がれば未来は暗くはないと思います。
     決まり文句で総括したような気になっていてはいけないと思います。

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