2014年11月25日火曜日

公約よりも進級試験


  一時、マニフェスト、マニフェストと言われたことがある。
 好い方にとれば、業界や地域のしがらみで投票するのでなく各党のマニフェストを比較検討して判断しようという掛け声であったが、結果は、ズバリ、耳あたりのよい言葉を並べた者が勝ちというようなムード選挙を演出しただけだった。
 言葉を飾りたてたというレベルならまだしも、TPP絶対反対とか増税反対と言って選挙に臨み当選したら推進するというありさまだったし、選挙時に一言も触れていなかった憲法の解釈改憲を強行したのだから、マニフェスト選挙が聞いてあきれるというのが歴史的事実だった。
 マスコミが煽るこの種のキャッチコピー・・・マニフェスト選挙、第三極、政権交代、はては「争点がない」に誘導された結果が現代社会の行き詰まりをもたらしたのではないだろうか。
 では、我々は何をメートル原器にして選挙を考えればよいのだろうか。と思うと、私は選挙は各党の進級試験だと考えるのがよいと思う。
 つまり、学生でいえば過去の学習態度と到達点を評価するのである。面接会場でしおらしく「これからはああします。こうします」と言っても駄目である。
 例えば、今日の消費不況は人為的な円安と消費税にあることは明らかで、その消費税を合意して推進したのは自民、公明、民主だし、維新等の第三極もこれを応援した。
 社会保障の根幹である国民皆保険制度や食の安全を破壊するTPPも自民、公明、民主や維新等が推進し、いよいよ崖っぷちに迫っている。
 憲法違反の集団的自衛権の閣議決定、秘密保護法を実行した自民、公明と維新等の責任は大きいが、民主の腰のキレ方も悪かった。ここでも、絶対多数政権をここまで追い込んだ力は公平にみて共産党だった。
 原発も、先の選挙前には口をすぼめていたが多数を取ると再稼働を推進している。
 つまり、進級試験のつもりで皆が考えれば、政治の対決軸は自民対共産党であったことは明らかだし、庶民の立場で検討すれば、一貫して正直に主張し与党を追及したのが共産党で、選挙前には嘘をつきまくり、ごく一部の大企業経営者と大金持ちの利益のために国民の生活と安全を危機に曝してきたのが自民党であることは明らかだろう。
 それにしても、それらの検討を十分に行えるような情報がないという感想もあるだろう。今日のマスコミ状況が作っている大問題のひとつである。
 そうであるなら、共産党を支持するしないは別にしても、権力や広告主に一切影響を受けない、そういう意味ではタブーの無い赤旗をこの期間だけでも購読してほしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿