2014年7月23日水曜日

技術大国の実態

 
  実録・550日の憂鬱!
 今から1年半前の正月に日本国某有名メーカーのノートパソコンを買った。
 ところが直ぐに、画面が点滅する故障が発生した。
 ディスプレイ画面と本体の接続部分の接触不良かと思い、いろいろ触っているうちに直ったが、また再発した。
 大昔の真空管ラジオのようにトンと叩いたら直ったりするので、あれこれ試しながら原因を考えた。もちろん素人に解るはずがない。
 で、メーカーに電話をして、電話の指図に従っていろんな作業を数時間したがやっぱり故障だということで修理と相成った。
 メーカーが指示した宅配業者がやってきて持って帰り、修理をして帰ってきた。メインボードを交換したという。
 ところがほどなく再び同じ症状が発生した。そして、今回もあれこれ触っていると回復したりするので不便ながらも使い続けていた。
 しかし、あまりに不便なもので再び電話をし、いろんな操作をし、そして修理と相成った。症状その他を事細かく文書で連絡した。
 液晶パネルを交換して帰ってきた。
  ところが、ほどなくまたまた再発した。
 それまでの電話のやりとりで静電気が関係するように思えたので静電気除去グッズを買ったり、アース線をパソコンに接続などいろんな工夫をやってみた。
 直ったりするので不便ながらも使い続けたが、あまりに不調が続くので三度目の連絡をした。
 今度はメインボードの交換とウィンドウズの再インストールがされて帰ってきた。 
 ウィンドウズの再インストールは、基本的に全てのデータが消滅されてしまうので、ネットとメールの再接続や住所録の再入力等々泣きたいくらいダメージだ強かった。
 ところがそれでも同じ症状が発生した。
 電話の際には、「点滅している画面の裏で作業はできているのだから、メーンボードなどではなくもっと単純な部分の接触不良等ではないのか」と度々言ったが、私とて全くの勘のような話であった。
 そして、購入から1年半近くずーっと不調なまま4回目の修理となった。
 今度も、液晶パネルとメインボードが交換され、「長時間の負荷テストを行なった」と言って帰ってきた。結論を言えば直っていなかった。
 ただこれまでの経験から、電源とバッテリーを抜いて1日ほど放置しておくと回復することを経験則として学んでいたので、そのようにパソコンをだましだまし使用した。
 そしてついに、妻もこの状況を憐れんで、別にパソコンを買うことを了承してくれた。以前使っていたメーカーのパソコンを購入した。(結果的にはWin8のPCが2台となった。)
 そして、5回目の電話をして、「修理工場はアテにならないから我が家に来てもらいたい。」と要求した。(本来はそういう対応がない。)
 で、通常は法人向けに出張しているのであろう下請け外注会社の青年がやって来た。
 青年に症状を話すと青年は磁石を取り出し、それを近づけたり離したりして「こんな症状ですか?」と症状を再現した。
 「そのとおり」と言うと、「液晶画面を閉じた時に画面を消すためのセンサーの不良です。」と言って、その小さな部品を交換した。
 答えを言えば、550日ほど続いていた憂鬱はこれにてジ、エンドとなった。
 
 4回の修理を行ったのは我が国を代表するような有名メーカーである。
 そこの電話対応部門と修理工場である。
 近頃のことだから非正規の派遣社員かもしれないし、もしかしたら「追い出し部屋」かもしれないが、「こんなことをしていたら世界に敗けるよなあ(溜息)」と思う550日だった。
 電話応対の印象からいえば誰もええ加減なものではなかったが、きっと、マニュアル本に書かれていなかったのだろう。
 一方、下請け・外注ではあるが、お客さんの顔を見ながら何が何でも対応しなければならない下請け会社担当者の技術というかセンスは立派であった。
 そこで思うのだが、日本国大企業は、労働者の働かせ方にしても顧客対応にしても、基本中の基本のところで何か道を踏み外してはいないだろうか。
 大阪船場商人の土台となった近江商人の「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)は真理だと思うが、近頃は「効率」だとか「成果」だとか「グローバル」というような無粋な言葉の陰で忘れられている。
 不況の原因はそんなところにもありはしないかと思っている。

4 件のコメント:

  1. まったく同感です。電話相談室の兄~ちゃんの話す言葉は「宇宙語」です。量販店の売るまでの至れり尽くせりのセールストークは何だったのか、と思うことは度々です。

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  2.  長谷やん、久しぶりにコメントします。
     このPC故障の記事を読みながら、それだけで胃が痛くなるようなストレスを感じました。連れ合いも同じ思いをしながら読んだそうです。ちょうど同じ時期に長男のPCも不具合が発生し、何度もだましだまししながら使っているというブログ記事を書いていました。
     それにしても長谷やんの550日にも及ぶ苦闘は驚嘆に値します。私も数年前に不具合が発生し、ウインドーズ7に買い換えましたが、その際、不具合があれば修理に来てもらうことにしました。一度液晶パネルの不具合が発生しましたが、保証期間中で無償で取り換えてくれました。PCほど当たり外れの大きい買い物はないと思います。何とかこのまま不具合なく稼働してくれればと祈るばかりです。

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  3.  おっしゃる通り、極端な始末屋の妻が、私の550日にわたる落胆ぶりとイライラぶりを見て「別にもう一台買ってもええよ」と言ったというのは我が家では驚異的なことです。
     先日、全くビギナーの友人にパソコンの相談に乗りましたが、「近所に親切な電気屋さんがあれば、少々高くても量販店よりもいいよ」と言いました。実感です。
     それから、働いていた頃は事務所まで電話一本で修理に来たものです。つまり「法人」です。
     「法人」には相当の値引きをして販売し、修理にも出張するのに、「個人の老人なんかに構ってられるか」というのでしょうか。日本の消費を底支えしているのは老人だぞ!!

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  4.  テレビの「ルソンの壺」で某電機メーカーがインドネシアに進出して、韓国勢の安売り量販店方式に対抗して、親切な電気店や親切なアフターケア方式で伸びていると報じていたが、テレビのこちらで妻とともに、「それを日本でせえよ」と突っ込んだ。

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