2014年7月11日金曜日

仮説は楽し

  先日は、「こうして生命は生まれたーGADV生命起源仮説」という話を、池原健二・放送大学奈良学習センター所長から聞くことができたが、細部は数時間の講義で理解できるようなものではなかった。
 しかし、話の骨子は非常に解りやすく、その内容を横においても、何よりも創造的な考えを聞くことは刺激的で楽しかった。
 話は私の好きな日本列島の古代史などよりずーっと古く38億年前の地球の話である。
 DNAとタンパク質(酵素)からなる生命はどのように発生したのか・・について、そもそもDNAとタンパク質の解説から始まって、宇宙起源説や熱水噴出孔説の問題点を指摘し、DNAを転写したRNA→遺伝暗号→タンパク質合成→生命の誕生という、現在、最も主流のRNAワールド仮説へと話は進み、そこに立ちふさがった遺伝子とタンパク質の間に見られる「ニワトリと卵の関係」を提起された。
 その上で先生が考え出された仮説に進んだのだが、その内容を無謀にも一言で言ってしまえば・・・、
 原始地球環境下で、グリシン[G]、アラニン[A]、アスパラギン酸[D]、バリン[V]からなる単純なアミノ酸が生まれた。(落雷や彗星衝突などのエネルギーで可能)
 それがGADVタンパク質になった。
 GADVタンパク質は疑似複製と原始的な代謝系(化学反応系)を形成し、原初遺伝暗号が確立された。(これも原始地球環境下でこそ可能であった。)
 さらに、最初の一本鎖RNA遺伝子が形成され、合成の後二重鎖RNA遺伝子が形成された。・・・というようなものだった。・・・・これ以上語る能力は私には欠けている。
 最後に私の印象に残ったのは、「その仮説は実験によって検証されているのか」という質問に対して先生が、「各種実験結果のデータでもってシュミレーションした仮説であるが」と言いながら、「せめて数百万円でも予算が欲しいが」「予算がつかなかった」と溜息をつかれたことだった。
 マスコミでは、あれこれの「特区構想」が宣伝されたりしているが、結局は目先の金儲けという物差しで予算が動いているようだ。
 経済効果の見える応用科学の偏重と純粋科学の蔑視は人類の未来に関しても重大事態ではないだろうか。もっと言えばこの国では哲学が徹底的に蔑視されている。国の指導者たちが嘘のつき放題なのだから当然か。

 余談ながら、応用科学的ではあるが、ライト兄弟以前に飛行機の原理を完成させていた二宮忠八のことを思い出した。彼に予算がついていれば・・・・・。

0 件のコメント:

コメントを投稿