2014年6月8日日曜日

庭先の貴婦人

  庭先にやってくる昆虫の中でこれほどエレガントな昆虫を私は知らない。
 ということを度々書いてきたが重ねて書きたい。
 スズメガという蛾の一種なのだが、鱗粉が全くないのだから、もう蛾の片鱗さえ捨て去っている。
 蜂に擬態したというのが定説だが、本人たちはハチドリになりたかったのだと私は想像している。

 このオオスカシバ、庭先の貴婦人を私は大好きだが、ジェット機のような飛び方で普通には写真すらなかなか撮らせてくれない。
 ところが孫とモンシロチョウを追っていた時に突然の訪問を受けたので、孫を放ったらかして網を振り回して捕獲した。そして、部屋の中に放って、「これは蜂とは違うんやで」「綺麗やろ」「可愛いやろ」と説明した。

 はじめはその何となく攻撃的な羽音に退いていた孫も、徐々に「可愛いなあ」と言うようになり、ついに爺いと孫は固い「スカシバ好き」の虫好き仲間になった。

 動物生態学、保全生物学の岩崎敬二先生の話を聞いたことがあるが、昆虫学等の各国専門家が日本に来たとき、「日本の一般庶民がミンミンゼミとアブラゼミとクマゼミを聞き分けているのが信じられない」と驚いたらしい。
 欧米には鳴くセミが非常に少ないことや『右脳、左脳問題』もあるが、それにしても日本人は世界中では相当な虫好きの国民らしい。
 別の本では、「ほとんどのフランス人はファーブルを知らない」と読んだこともある。
 事実、歳時記の【蛾】の部にも数多くの俳句が挙げられており、この天蛾(スズメガ)はもちろん、火取蛾(ヒトリガ)、火取虫(ヒトリムシ)、火虫(ヒムシ)、灯蛾(トウガ)、火蛾(ホガ)、燭蛾(ショクガ)、鹿の子蛾(カノコガ)等々と17の季語が例示されていた。
 そういう先人の心の豊かさに比べると、虫を見たら「怖い」という現代人は異邦人のようである。
 事実上のアメリカの植民地になったことに伴ってこの国の文化や感性さえ捨て去り、口を開けばグローバル化だと繰り返している、・・・典型的な植民地現地人なのではないだろうか。
 亜流の人々は虫を怖いと言いながら「生物の多様性と環境保全」を説いておられる。

 孫にはこのブログに使用した写真を2L版にプリントをして持って帰らせた。
 迎えに来たお母さんにそれを見せながら「スカシバを捕った」と自慢していた。

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